学校の内科検診にて健診結果で、
「過去の身長の最大値に比べて最新値が小さいです。甲状腺機能低下症などの病気を起因とすることが心配されますので、専門医の受診をおすすめします。」
というお知らせがあって、検索でこのサイトにこられた方へ
現在当院で検査させて頂いて判断できるのは、甲状腺異常の有無だけです。
その他の病気の検査も必要と思われますので、小児科や内分泌の専門医で、この内容で精密検査が出来るかどうか事前に電話をして確認してその医療機関を受診してください。
甲状腺疾患には甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(橋本病)、甲状腺がんなどがあります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺ホルモンの作用が増強された状態です。
症状が軽い場合は本人が気がつかず、また他の疾患として治療されていることもあります。
症状は
- 首(喉仏の下)が腫れている
- 脈が速く(80回/分以上)、心臓がドキドキする
- 落ち着きがなくイライラする
- 手足がふるえる(特に指のふるえ)
- 汗をかきやすい
- 暑がりである(夏に弱い)
- 疲れやすい
- 食欲があるのに体重が減少
- 息切れがする
- 微熱がある
- 目つきがきつくなったり、目の調子が悪い
- 下痢・排便回数の増加
- 育児ノイローゼ
- 妊娠しにくい
- 月経異常(量が減り、不純になる)
- 眠れない
- 筋力が低下した(特に手足)
- 集中力低下
- 学業成績が低下した(子供)
などです。
上記症状がいくつか認められましたら、甲状腺機能亢進症の疑いがあります。
甲状腺機能亢進症は血液検査で診断ができ、またお薬でコントロールできる疾患ですので、上記症状が認められるかたは、一度当院を受診して下さい。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの作用が低下している状態です。
症状が軽い場合は本人が気がつかず、また他の疾患として治療されていることもあります。
症状は
- 皮膚が乾燥してカサカサになる
- 寒がりになる(厚着する)
- 筋肉のつれ(特に手足や肩の筋肉に起こる)
- なにをするのも億劫である(無気力である)
- 手足が冷える
- むくみがある(全身に起こる)
- 声がかすれたり、低い声で話すようになった
- 食欲がないのに体重が増加した
- 便秘
- 汗が出にくくなる、あるいは汗が出ない
- 手足がしびれる
- 脈が遅い(60回/分以下)
- 毛が抜けやすく、髪や眉がうすくなった
- 産後の肥立ちが悪い
- 妊娠しにくい
- 月経異常(月経過多、月経不順、無月経)
- いつも眠い
- ことばを速くしゃべれない(口が遅くなった)
- 物忘れが多くなった
- 成長が遅れている(身長が伸びない)(子供)
などです。
上記症状がいくつか認められましたら、甲状腺機能低下症の疑いがあります。
甲状腺機能低下症は血液検査で診断ができ、お薬でコントロールできる疾患ですので、上記症状 が認められるかたは、一度当院を受診して下さい。
甲状腺機能低下症は内服薬による甲状腺ホルモンの補充療法になりますので、当院で継続治療が可能です。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)に関しましては、神戸に隈病院という専門病院がありますが、下記のような時には隈病院に紹介させて頂いております。
- 心不全を生じている時
- バセドウ病眼症で複視がある場合
- 横径7cmを超えるような大きな甲状腺腫
- 副作用のため抗甲状腺剤が使用できない時
- 2~3年治療しても寛解(抗甲状腺剤を中止できる状態)しない時
- 妊娠・授乳期
隈病院のような専門病院で初めから診断・治療をされてもよいと思いますが、まずは、当院で血液検査にてバセドウ病の診断を確定されてから治療をされる場所を考えられても良いと思います。
希望される方にはいつでも隈病院に紹介させて頂いております。